【手持ちの器でOK】複数の器を組み合わせるだけで食卓が見違える簡単スタイリング
「食をアートとして表現する」をテーマにしたこのラボでは、特別な道具や技術を使わずに、日々の食卓をより魅力的にする方法をご紹介しています。
今回は、誰もが持っている「器」に焦点を当てます。いつもの料理を盛り付ける器、ついつい同じものばかり使っていませんか。あるいは、せっかく複数の器を持っていても、どう組み合わせたら良いか分からない、と感じることもあるかもしれません。
実は、手持ちの器を少しの工夫で組み合わせるだけで、いつもの食卓が見違えるほど豊かになります。特別な器や新しいものを買う必要はありません。今お使いの器を活かして、食卓をワンランクアップさせる簡単スタイリング術をステップ形式で解説します。
複数の器を組み合わせるメリット
複数の器を食卓に並べることで、単調になりがちな食卓にリズムや奥行きが生まれます。まるでレストランやカフェのような、少し特別な雰囲気を自宅で手軽に演出できるのです。また、器の組み合わせによって料理の印象を変えたり、季節感を表現したりすることも可能になります。
ステップ1:手持ちの器を「見る」ことから始める
まずは、ご自宅にある食器棚を開けてみましょう。どんなサイズ、形、色、素材の器があるかを確認します。普段使いの茶碗や皿、小鉢、グラス、マグカップなど、どんなものでも構いません。
いくつかの器を実際にテーブルに並べてみてください。これは練習です。一つずつ手に取り、その器の特徴(重さ、質感、表面の凹凸、縁の形など)を感じてみましょう。こうすることで、それぞれの器が持つ個性を再発見できます。
ステップ2:組み合わせの「テーマ」を決める
複数の器を組み合わせる際に、漠然と並べるのではなく、小さなテーマやイメージを持つと上手くいきやすくなります。例えば、
- 色のテーマ: 全体を白と青でまとめる、アースカラーで落ち着いた雰囲気に、補色を使ってコントラストを出す
- 素材のテーマ: 陶器と木、ガラスと金属など、異素材を組み合わせる
- 雰囲気のテーマ: 和風、洋風、カフェ風、ナチュラル、モダンなど
- 季節のテーマ: 春らしい淡い色合い、夏らしい涼やかなガラス、秋の深まる色合い、冬の温かみのある素材
のように、大まかな方向性を決めます。このテーマに沿って、ステップ1で確認した手持ちの器の中から、合いそうなものを選んでみましょう。最初から完璧を目指す必要はありません。直感で「これが合いそうかな」と感じるもので試してみてください。
ステップ3:「高低差」と「奥行き」を意識して配置する
器をただ横一列に並べるだけでなく、配置に変化をつけることが重要です。特に「高低差」と「奥行き」を意識すると、食卓全体に立体感が生まれます。
- 高低差: 高さが異なる器を組み合わせます。例えば、平皿の上に小鉢を置く、脚付きの器を使う、グラスを置くなどです。手持ちの器だけで高さを出すのが難しければ、コースターや小さな木片、畳んだナプキンなどを器の下に敷いて、さりげなく高さを調整するのも効果的です。
- 奥行き: 器を手前から奥に向かって配置します。手前に小さめの器やグラス、奥に大きめの器を置くなど、配置する位置を変えることで奥行きが生まれます。複数の料理を並べる場合は、手前の器は少し低めに、奥に行くにつれて少し高めのものを置くとバランスが取りやすくなります。
ステップ4:「質感」や「色」の対比を楽しむ
器の組み合わせは、色や質感の対比を楽しむチャンスです。
- 質感: ツヤのある器とマットな器、滑らかな質感とざらつきのある質感など、異なる質感の器を隣に並べることで、それぞれの器が引き立ちます。例えば、光沢のある磁器の皿の上に、ざっくりとした土物の小鉢を置く、といった組み合わせです。
- 色: 同系色でまとめて統一感を出す方法もあれば、補色(反対色)を使って互いを強調する方法もあります。例えば、緑の野菜を盛り付けた器の隣に、赤系の小皿を置く、といった簡単なことで、食卓に彩りとリズムが生まれます。手持ちの器の色をいくつかピックアップして、どんな組み合わせが可能か試してみましょう。
ステップ5:全体のバランスを整える
最後に、配置した器全体を見てバランスを整えます。
- 余白: 器と器の間隔、器とテーブルの間の余白も重要な要素です。詰め込みすぎず、適度な余白を設けることで、一つ一つの器や料理が引き立ちます。
- カトラリーや小物: 器だけでなく、カトラリー、グラス、箸置き、ナプキンなどの小物もスタイリングの一部です。これらの色や素材も、器の組み合わせや食卓全体のテーマに合わせて選ぶと、より統一感のある空間になります。こちらも特別なものでなくて構いません。普段使っている箸置きを少しずらして置いてみる、紙ナプキンを一枚敷いてみるなど、できることから試してみてください。
まとめ:いつもの器が「アート」になる
手持ちの複数の器を組み合わせることで、いつもの食卓が生まれ変わる簡単スタイリング術をご紹介しました。大切なのは、特別な器や技術ではなく、「どう組み合わせるか」という視点です。
今回ご紹介したステップを参考に、ぜひご自宅の器を手に取って試してみてください。色や形、質感、高低差や奥行きを意識して器を並べてみるだけで、きっと新しい発見があるはずです。
日々の料理がもっと楽しく、食卓がもっと豊かな時間になりますように。