【初心者向け】いつもの献立がプロっぽく!複数皿の「並べ方」で変わるバランス術
毎日の食卓には、複数の料理が並ぶことが多いものです。一品一品は美味しく作れても、「なんだか全体的にまとまりがないな」「お店で見るように素敵に並べられないな」と感じることはありませんか。
実は、いつもの献立をぐっとプロっぽく見せるには、特別な器や華やかな料理は必要ありません。今ある器と、いつもの料理を使って、複数のお皿を「どのように並べるか」を少し意識するだけで、食卓全体の雰囲気が見違えるほど変わります。
この記事では、初心者の方でもすぐに実践できる、複数皿の並べ方による食卓のバランス調整テクニックを、ステップ形式で解説します。特別な道具は一切不要です。いつもの食卓や料理写真をもっと魅力的にするためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
ステップ1:主役(メインディッシュ)の場所を決める
複数の料理を並べる際、まず最初に考えるのは「どの料理を一番見せたいか」、つまり主役となるメインディッシュをどこに置くかです。視線は自然と特定の場所に集まります。その「主役」を置く場所を決めることで、他の料理の配置がスムーズに決まります。
- 基本的な考え方: 食卓の中心、あるいは食事をする人から見て最も視線が集まりやすい場所にメインディッシュを配置します。円卓なら中心、長方形のテーブルなら、座る人の正面やや手前などが一般的です。
- 視線を誘導する: メインディッシュの奥に少し背の高いもの(汁物など)を置いたり、手前に小さな副菜を配置したりすることで、自然な視線の流れを作り出すことができます。
ステップ2:高低差と奥行きを作る
複数の皿が同じ高さに並ぶと、単調な印象になりがちです。少しの高低差と奥行きを加えるだけで、食卓にリズムと立体感が生まれます。これは、プロのスタイリングでよく使われるテクニックです。
- 高低差を出す方法:
- 器自体に高さのあるものを選ぶ: スープカップや小さな高台皿などを使います。
- 器の下に敷く: ランチョンマットだけでなく、折りたたんだ布(ナプキンや手ぬぐいなど)を部分的に敷いて、器の高さを少しだけ調整します。
- 料理自体に高さを出す: ご飯を軽く山盛りにしたり、具材を重ねて盛り付けたりします(これは盛り付けの基本でもありますが、全体配置にも影響します)。
- 奥行きを出す方法:
- 手前と奥に配置する: 全ての皿を一直線に並べるのではなく、手前に小さな皿、奥に大きな皿などを配置することで、視覚的な奥行きが生まれます。
- 少し重ねてみる: 皿と皿を完全に離して置くのではなく、ごくわずかに端を重ねることで、一体感と奥行きが同時に生まれることがあります。ただし、これは料理の種類や器の形でバランスが変わるため、少し練習が必要です。
ステップ3:色と形のバランスを考える
食卓全体の印象は、並ぶ料理や器の色と形の組み合わせで大きく変わります。隣り合う皿の色や形に変化をつけることで、リズム感と視覚的な面白さが生まれます。
- 色のバランス:
- 隣り合わせの色を意識する: 例えば、茶色っぽい煮物の隣に緑の和え物、その隣に白いご飯、というように、色の変化をつけるように並べます。赤、緑、黄、白、茶色など、様々な色がバランスよく配置されると、食卓が明るく華やぎます。
- 差し色を入れる: 全体的に地味な色合いになってしまった場合、ミニトマトやパセリ、ネギ、ゆかりごはんなど、少量でも鮮やかな色を持つものを加えると、食卓全体が引き締まります。
- 形のバランス:
- 様々な形の器を使う: 丸皿ばかりではなく、角皿、楕円皿、小鉢など、異なる形の器を組み合わせることで、視覚的なリズムが生まれます。
- 器の大きさに変化をつける: 大皿、中皿、小鉢、豆皿など、大きさの異なる器を組み合わせることで、単調さを避け、バランスの良い配置になります。
ステップ4:余白と「線」を意識する
食卓全体の印象を洗練させるには、「余白」と「線」の使い方が重要です。詰め込みすぎず、適度な空間を作ることで、一つ一つの料理がより際立ちます。
- 余白を作る:
- 皿と皿の間隔: 全ての皿をくっつけて並べるのではなく、皿と皿の間に少し間隔を空けます。これにより、それぞれの料理が「孤立」することなく、互いの存在感を引き立て合います。
- 食卓全体の余白: テーブルの端ギリギリまで皿を置くのではなく、周囲に少し空間を持たせることで、ゆったりとした落ち着いた印象になります。
- 「線」を意識する:
- 並べる方向: 皿を並べる際に、直線的に並べるか、緩やかな曲線を描くように並べるかで、全体の印象が変わります。フォーマルな印象なら直線、リラックスした印象なら曲線など、目指す雰囲気に合わせて並べ方を調整してみましょう。
- カトラリーや箸の向き: これらを綺麗に並べることで、食卓全体に整然とした「線」が加わり、洗練された印象になります。
まとめ:いつもの食卓がもっと楽しくなる簡単な工夫
この記事では、いつもの献立をより魅力的に見せるための、複数皿の並べ方によるバランス調整テクニックをご紹介しました。
- 主役の場所を決めることで、他の料理の配置がしやすくなります。
- 身近なもので高低差や奥行きを作ることで、立体感が生まれます。
- 色や形の異なる器を組み合わせることで、食卓にリズムが生まれます。
- 適度な余白を作ることで、洗練された印象になります。
これらのテクニックは、特別な道具や難しい技術は一切必要ありません。いつものお皿と、いつもの料理で、今日からすぐに試せることばかりです。
これらの工夫を少し取り入れるだけで、いつもの食卓がワンランクアップし、食事がさらに楽しい時間になるはずです。また、料理写真を撮る際にも、全体のバランスが整っていると、より美味しそうに見える効果があります。ぜひ、日々の食卓で実践してみてください。