【初心者向け】いつもの料理がワンランクアップ!普段使いの器「選び方と組み合わせ方」簡単テクニック
料理の見栄えは器で変わる。特別な器がなくても大丈夫です
いつもの自宅で作る料理。味は自信があるけれど、なぜかお店のように、あるいは写真で見るように「美味しそう!」と心惹かれる見た目にならない、と感じることはありませんか。盛り付けやスタイリングには特別なセンスや道具が必要だと思っていませんか。
実は、料理の見栄えを大きく左右するのは「器」です。そして、そのために特別な高級食器やプロ仕様の道具を用意する必要はありません。普段お使いになっている身近な器でも、少しの「選び方」と「組み合わせ方」のコツを知っているだけで、いつもの料理がぐっと垢抜けて見違えるようになります。
この記事では、「食をアートとして表現する」ための第一歩として、手軽に実践できる普段使いの器を活かした、料理をより魅力的に見せる基本的なテクニックをご紹介します。特別な準備は不要です。今日からすぐに試せる簡単なステップばかりですので、ぜひ気軽な気持ちで読み進めてみてください。
ステップ1:手持ちの器を「知る」ことから始めましょう
まずは、ご自宅にある普段使いの器を改めて眺めてみてください。どんな色、形、大きさ、深さのものがありますか。素材やつやの有無なども見てみましょう。
多くのご家庭にあるであろう、白やベージュ、茶色といったシンプルな器は、どんな料理にも合わせやすく、使い勝手が良いものです。これらは「基本の器」として、様々なスタイリングの土台になります。
もし、少し個性的な色や柄の器があれば、それらを「アクセントの器」として捉えてみましょう。すべてを特別な器にする必要はありません。まずは、お手持ちの器のバリエーションを把握することが、器選びと組み合わせの第一歩です。
ステップ2:料理の色を引き立てる器の「色」を選ぶ
料理と器の色合わせは、互いを引き立て合うための重要なポイントです。基本的な考え方としては、以下の二つがあります。
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料理の色を際立たせる「補色」や「反対色」を使う 例えば、緑色のサラダには赤っぽい器(朱色やレンガ色など)を、揚げ物などの黄色っぽい料理には青や紺の器を選ぶと、互いの色が鮮やかに見えます。料理の色が沈まず、活き活きとした印象になります。
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料理の色に馴染む「同系色」や「モノトーン」で統一感を出す 例えば、和食の煮物には茶色やベージュの器、パスタには白やクリーム色の器など、料理の色合いに近い器を選ぶと、落ち着いた洗練された雰囲気になります。食材の色が鮮やかなら、白い器を選ぶことで食材の色そのものが際立ち、清潔感のある盛り付けになります。
普段使いの器で最も多いのは白系の器かもしれません。白い器はどんな色の料理も受け止める万能さがあります。まずは白い器を基本に、一品だけ差し色として青や緑、茶色などの器を加えてみるだけでも、食卓にリズムが生まれます。
ステップ3:料理の形に合わせて器の「形と深さ」を選ぶ
器の形と深さは、料理の盛り付けやすさだけでなく、見た目の印象を大きく左右します。
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料理の形と器の形 丸いハンバーグやオムライスには丸いプレート、魚の切り身や和え物など直線的なものが多い料理には四角い器が収まりが良いことが多いです。また、あえて丸い料理を四角い器に盛り付け、余白をたっぷりとることで、アートのようなモダンな印象にすることもできます。パスタ皿のようなリム(縁)が広かったり、立ち上がりが少しある器は、ソースのある料理や立体的な盛り付けに適しています。
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料理の量と器の大きさ・深さ 料理に対して器が大きすぎると、料理が寂しく見えてしまいがちです。逆に小さすぎると窮屈で、せっかくの盛り付けが崩れてしまいます。料理の量が器の大きさに対して適度な「余白」がある状態が、見た目に美しいバランスです。特に深さのある小鉢などは、汁気のあるものだけでなく、少量の和え物やサラダをこんもりと盛ることで、高さを出して立体感を演出するのに役立ちます。
ステップ4:複数の器を「組み合わせて」食卓全体をスタイリングする
一品料理を盛り付けるだけでなく、いくつかの器を組み合わせて食卓全体をコーディネートすることで、さらに魅力的な空間が生まれます。
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色、形、高さのバランス 様々な料理が並ぶとき、全ての器を同じ色や形にする必要はありません。例えば、メインを白い大皿に、副菜を小ぶりな色違いの器に、汁物を高さのある器に、といったように、色、形、高さに変化をつけることで、食卓全体に動きと奥行きが生まれます。ただし、あまりに多くの種類や色が混在すると散漫な印象になるため、どこかに統一感を持たせる(例えば、素材を陶器で揃える、使う色を3色程度に絞るなど)のがコツです。
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手持ちの器で試す 特別なセットを買う必要はありません。普段使っているお茶碗、湯呑み、小皿、お皿などを自由に組み合わせてみてください。例えば、副菜用の小鉢がない場合でも、ジャムなどを入れていた可愛い小瓶や、普段使わない小さなグラスなどを代用してみるのも一つのアイデアです。手持ちのもので、色や形、高さの異なるものをいくつかテーブルに並べてみて、しっくりくる組み合わせを探してみましょう。
毎日の食卓を、もっと楽しく、もっと豊かに
普段使いの器でも、少し「意識」して選んだり、組み合わせてみたりするだけで、いつもの料理が見違えるように美味しそうに見えるようになります。これは特別なセンスや技術ではなく、誰にでもすぐに実践できる簡単なテクニックです。
今回ご紹介した「色」「形・深さ」「組み合わせ」の基本を参考に、ぜひお手持ちの器で色々な料理を盛り付けてみてください。同じ料理でも、器を変えるだけで驚くほど印象が変わることを実感いただけるはずです。
料理の見た目が素敵になると、作るのがもっと楽しくなり、食卓を囲む時間もより豊かなものになります。そして、その様子を写真に収めたとき、きっと今まで以上に「美味しそう!」な一枚が撮れることでしょう。特別な道具は何も要りません。まずは今日のご飯から、器を意識した盛り付けを試してみてはいかがでしょうか。